About

 はじめまして。2020年に開設した、ちいさな出版社の「世瞬舎(せいしゅんしゃ)」です。主に文芸書籍を中心に制作・販売を行っています。
 名前の由来は「永遠と瞬間」。
 本は人から人へ、過去から未来へ、時を超えて繋がれていくものだと思っています。文化芸術の価値が問われている今この時代に、本をつくり、とどけていくことの意味を考え、伝えていきたいです。

出版社の理由と、これから

 出版社代表の身となるずっと前、高校生のころに作家を志して以来の十数年から今に至るまで、数年単位の中断期間はあったもののなんとか筆を置かず、たくさんの小説を書いてきました。今でも自分の第一の生業は作家だと考えています。

 小説は、たいてい何人かの人物がいて、話したり、歩いたり、泣いたりしながら物語が進んでいきます。どうかすると、そこにいる彼らは、ここではないどこかで、たしかに生きているような気もします。
 しかし同時に、彼らには文字の上でしか会うことはできず、物語はこの手の中だけにあるともいえます。私がつくった物語の欠片は、長らくこの手の中だけに(もっと直接的に言えば、安物のPCの中に)抱えつづけていました。
 いつしかなくなってしまう存在であるのは、たとえ本であっても、WEB上に投稿したとしても、根本的には一緒なのかもしれません。いまだ問いの途中であり、答えにはたどり着けていません。

 当社初の書籍『未来の言葉』は、私がこの世に残した最初の本でもありました。ここでの経験は、おおいなる問い、そのはじめの一歩を踏み出すには十分でした。
 制作においては、PC上にしかない原稿を「本にする」段階まで引き上げる難しさや奥深さをたくさん知りました。小説には、もとより直接見えるもの、聴こえるものはなく、読者の想像に委ねるままの形が本来は究極の正解ともいえます。本づくりはその点において相反するようにさえ思えます。

 この永遠の矛盾を受け入れつつ、形にできないものを形にして、この人の世に本としておさめる。それこそが本づくりであるのかもしれません。装丁、紙面、仕様……デザイナーとともに頭と手を動かしつづけ、日々着実にことは進んでいきました。

 こうしてできあがった『未来の言葉』は、たくさんの方に手に取ってもらうことができました。 たくさん、といっても現時点で数十冊ほどなので、世間的にはほとんどないようなものかもしれません。しかし、本を購入してくださった方、読み通してくださった方の声のひとつひとつが、少しずつ少しずつこの場所にとどくのは、何にも代えがたい幸福でした。

 本づくりの工程のはじめからおわりまですべてに関わり、物語の行く末を最後まで見届ける。それが出版社の仕事なのでしょうか。そう思うと、なにかとても不思議な充足が芽生えてくるのでした。

 物語と本が好きなだけでしかない私が、どうにか世界とつながっていられる場所、世瞬舎。

 次の一歩をひとつずつ踏みしめながら、新しい本や人と出会いつづけながら、これからも本づくりの旅をつづけていきたいです。

世瞬舎のこれまで

 2020年8月 世瞬舎開設

 「名前」と「ロゴ」だけの、とてもちいさなスタートでした。

ロゴデザイン:コジ様


2020年10月 クラウドファンディングにて『未来の言葉』出版資金調達

CAMPFIREにてクラウドファンディングで資金調達を行い、100部出版の資金を集めました。
たくさんの応援の声も同時にいただきました。


2021年1月 『未来の言葉』発刊


2021年5月 文芸誌『世瞬Vol.1』発刊


 そして今も、本づくりの真っ最中です!



Staff

代表 神谷京介

1991年生。著作『未来の言葉』を世瞬舎から出版。永遠に17才くらいでいたいと思っている。

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*Special Thanks*

世瞬舎にかかわってくださるすべてのみなさま




 ここから、ちいさく・じっくり・ゆっくりと。いつか時を超え、遥か遠くまで。
 たくさんの素敵な出会いに恵まれますように。
 そして、そうであった今までにも、同じほど感謝いたします。


 2021.07.27 世瞬舎代表 神谷京介